サンサンのノロノロ渋滞に巻き込まれた人も多いと思います。私もハマりました。予想進路が大きく西旋回に変わったところで、これはもう考えても無駄だと思い、現場判断が可能な計画を持って北アルプスの最奥部ヘ。
↓薬師平から槍ヶ岳 多彩な雲が広がる
初日は、歩き始めてすぐ雨具を着る空模様。折立からの急登で大汗をかいて稜線に出ると、湿ったサンサンの風に煽られ体が冷やされてしまう。この天候で幕営は厳しいので、山小屋にお世話になることに。ありがたいですね。
お客さんの少ない山小屋で計画を練り直す。如何せん電波が届かない場所で得られる情報は限られます。
そもそも、気象のプロが予想できない事を素人が予想できるはずもなく、やっぱり現場判断(笑)。
↓薬師岳の圏谷群(特別天然記念物)
そして2日目。あれこれ考えても進まないので、安全にエスケープできる計画を立てて行動することに。
リスクが読めない中、さらに深く山に入るのはヤメて、まったく予定していなかった薬師岳2926mへ。
黒部川を挟んで東の峰々は厚い雲に覆われていたけど、薬師岳は如来様のおかげで晴れ渡っていました。
この天気予報なので他に登山者はおらず、静かな貸し切りの山頂となりました。
周囲の峰々は雲が掛かって見えませんでしたが、北に広がる富山平野と富山湾がきれいに見えていました。黒部川からは絶えず雲が湧き上がっています。静かな山頂は、風と陽射しが心地よかったです。少し長めに居座りました。
↓北薬師岳2900m(右) かっこいい鍬崎山2089mと富山湾
↓道中の足元には、かわいい花達が季節の移ろいを告げていました
黒部川源流の山々を歩く計画は、眺めるだけになってしまいました。雨に打たれ、風に煽られたけど、いい景色に出会えたし、予定にない山も登れたので楽しかったですね。やっぱり行ってみないと得られない体験があります。
↓太郎山と太郎平小屋
ガイドは装備から登山計画、行動に至るまで全ての判断を負託されています。当たり前ですが、常に正しい判断を求められます。予想できない危険には近寄らない事、判断を信用してもらえる関係性が大切ですね。
いつか笑い話になるような山行は、思い出に残る良い山旅でした。お疲れ様でした。